ある高原の中にひっそりとたたずむ洋館。
外観だけ見ると、まるで貴族の洋館のようで、
誰もホテルとは気づかない。だが、そこは、
ホテル業界に伝説を残したと言われる、
ある最高級ホテルチェーンのオーナーだった女性が建てた、
客室数たった5つのオーベルジュ。
それは、長年その女性が夢見た
「どんな女性も天国に連れて行ってくれる、
今世紀最高のおもてなしをするホテル」。
もしも自分が泊まったら、こんな風にサービスしてほしい、
こんな風にくつろぎたいと夢見て、
容姿端麗で一芸に秀でた男性スタッフを厳選。
集まったのは、天才ソムリエの満智留(大口兼悟)、
アウトローなシェフ・義久(高根研一)、
世話好きなフロント・忠俊(溝呂木賢)、
能天気なバーテンダー・礼(小野健太郎)、
そして心優しいベルボーイ・英仁(三上俊)。
皆それぞれ確かに自分の専門分野において優秀ではあるものの、
女性客の悦ばせ方や最上級のおもてなしとなると、
どうしていいのかよくわからない。
そんなこととはつゆ知らず、オーナーはホテルのマネージメントを、
ロンドンの超一流ホテルでコンシェルジュを務めて帰国した
自分の孫・孝(村上幸平)に委託する。
だが、孝は自分が支配人には若すぎて、
スタッフを統率するのは難しいのではと考え、
ホテル歴の長いベテランスタッフ・加藤(福山俊郎)を支配人に置き、
彼を通じて5人の若手スタッフを育てていく。
ところが、この5人のサービスといったら、
孝と加藤の想像を絶するハチャメチャぶり。
オープン間近を控えて、祖母を恨んでももう遅い。
孝と加藤は徹底的にバトラー(執事)としてのホスピタリティを教え込む。
そこへ遅れてやってくるトロント帰りのベルボーイ・悌(昇二郎)。
彼は宅配便の人だと間違われるが、
彼もなぜかこのバトラー特訓に巻き込まれていく。
今まであまり真剣に考えなかった、女性が心から悦ぶサービス。
お互いが女の客になって、あの手この手のサービスを考える。
果たして、無事ホテルはオープンできるのか?
そして、女性が心から満足する真のサービスとは一体何か?